理由もなく不安になり、ずっと緊張していた私の話

心の回復

――体がゆるんだ日、生き直せる気がした

何も起きていないのに、不安になる。
ふと気づくと、理由もなく体が固まっている。

「どうして自分はこんなに緊張してしまうのだろう」
そう思うことがありました。

あったというより、今思うと「あったような気がする」
といったほうがいいかもしれません。

なぜなら、それはいつも意識の表面にあるのではなく、
少し深いところにあったから。

だから、その気持をはっきりと認識することはなかった。

「そんなことよりも、もっとやらなくてはならないことがたくさんある」
「周りの人と同じように進んでいかなければ、置いていかれてしまう」

そんな焦りの気持ちが一方にあったからかもしれない。

いつも、自分の心の奥にある気持ちに目を向けず、
覆い隠して生きてきたように思う。

こどものころの記憶

国語の時間、当てられて教科書を読まされるのが嫌だった。
頭の中が真っ白になり、目に入ってくる文字がよくわからなくなる。
いつも適当に言葉にするものだから、友達に笑われ、
「難しいのか?」と先生に訝しがられた。
スラスラ音読する友だちが羨ましかった。

大人になってからも

入社面接の時はよく「緊張しているね」と言われた。
なんでこんなに緊張してしまうのか自分でもわからなかった。

だから、人前で喋ることは極力避けてきた。
会議でも声を出そうとすると体がこわばって声が出なかった。

ずっと緊張して生きてきたのかもしれない

少し前のこと、入院している母親に見せようと、
子どもの頃のアルバムを実家に探しに行った。
懐かしい赤色のベルベット生地で覆われた重々しいアルバム。
自分の幼いころの思い出がたくさん詰まっている。

しかし、その写真を見返して衝撃を受けた。

小さいころの自分はいつも怯えたような顔をしていたのだ。

隣にいる友だちが満面の笑みを浮かべているのに、
わたしはいつも何かに怯えている。
野球のユニフォームを着て誇らしげに写っている友だちの横で
わたしは眉に皺を寄せている。

そういえば、こどものころは野球をやってよく走り回っていた。

でも本当は、「早く家に帰りたいな」という気持ちが
心の奥にあったのを覚えている。

遊びが面白くなかったわけではない。
安心できる「我が家」から離れていると心細かったのだ。

「そうだったのか」と腑に落ちた。
わたしは小さい頃から不安を抱え、緊張して生きてきたのだ。

教科書を読むときも、
面接のときも、
人前で話をするときも、

なぜこんなに緊張してしまうのかと悩んでいた。

でもそれは、つねに体が緊張していたから。
緊張する場面では、それが増幅されてしまうのだ。

そして、体が緊張しているとうまく声が出せない。
事実、わたしは積極的に人に話しかけるのが苦手だ。

だから、言葉にしようと思ったことを飲み込んで生きてきた。

なにか違うかもしれないと思いながらも、
どう解決すればいいのかわからなかった。

しかし、飲み込んだものは少しずつ心のなかに堆積していった。
それでも、何も起こらなければ、悪い方向に進んでいるとは思わなかった。

でも、やはり良い方向には進んでいなかったのだ。

わたしは出会ってはいけない人に出会ってしまった。
その上司の言葉はわたしを傷つけ混乱させた。
来る日も来る日も否定されていく中で、支配されていく焦りが募った。

何年ももがき苦しみながら耐え忍んだ。
すっかり自信を失い、わたしは限界に達していた。

ようやく異動が決まり、支配から抜け出たとき、
わたしの中で何かが弾け飛んだ。

すると不思議なことに、
心の中の堆積物もドロドロとヘドロのように流れ出したのだ。
わたしの体を固く覆っていた見栄やプライドといった鎧もガラガラと崩れ落ちた。

それは自分の中の絡み合った矛盾をほどく浄化作用だったのかもしれない。

その後、しばらくして気づいた。

「からだが軽い」

「気持ちがどこまでも穏やかだ」

「心がどっしりと落ち着いて、怖いものがなくなったように感じた」

「こんなにも体が軽く生きられるものだったのか」

緊張してもすぐに緩めることができる。
ゆっくり落ち着いて言葉にすることもできる。

もとの自分に戻ったのではない。
生き直せる気がした。

今わかるのは、
つねに守りを固めて生きてきた自分がいたこと。
不安の中で緊張して言葉を飲み込んで生きてきた。

しかし、それはいつか行き詰まる。
息苦しく、つらい道が続いているだけだ。

不安の中でも、緊張を溶きほぐす道はあった。
不安に飲み込まれないよう、心をひらいていく道だ。

わたしは、ひとりで抱え込むのをやめた。
ひとの中でしか生きられないことにようやく気付いたからだ。

だからあなたも、
体を緩めて、呼吸を深くして、こころを整えて生きていこう。

▶ずっと緊張していた体をゆるめ、生き直すための方法を書きました

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