なぜかずっと、心細かった。――「理由のない不安」の正体
「何も起きていないのに、なぜか不安になる」
「人前に立つと喉がギュッと締まり声が出なくなったり、頭が真っ白になったりする」
そんなことはありませんか?
「自分が弱いから」「もっと頑張らなきゃ」と自分を責めてきた人たちへ。
それは性格や心の弱さの問題ではなく、”長年積み重なった「体の緊張」”が原因かもしれません。
周囲に合わせようとしてつねに気を張ってきた
会社では、いつも先輩や上司の顔色をうかがってしまう。
雰囲気が悪くならないように自分を抑えて争いを避けようとする。
あなたも、こんな感覚はないでしょうか。
みんなに合わせようと、いつも気を張ってしまうのは、
あなたがとても優秀なセンサーを持っているからです。
誰も気づいていない職場の違和感を事前に気づくことができるのです。
あなたがその場にいて、静かに「潤滑油」の役割を果たしてきたからこそ、
周りの人たちは穏やかでいられました。
でも、それが当たり前になって
疲れ切っていることにも気が付かなくなっていないでしょうか。
その緊張はいつから続いていたのか
「なんとなく不安な気持ちになる。」
「何もしていないのに体が緊張している。」
それは、無意識のうちに周囲に合わせようとしたり、
気を使いすぎているからかもしれません。
わたしにも覚えがあります。
気を使いすぎて、自分を抑えてしまうのが悩みでした。
そして、自分の記憶をたどっていくと、
「なんとなく緊張している」という感じを幼少の頃から持っていたように思います。
実家で見つけた、古いアルバム。
懐かしい赤色のベルベット生地で覆われた重々しい一冊をめくったとき、
衝撃を受けました。
集合写真の中の幼いわたしは、周囲が笑っている中で、
一人だけ**「何かに怯えているような顔」**をしていたのです。
国語の時間、音読で当てられると頭が真っ白になり、
文字が滑って読めなかったこと。
安心できる「家」から一歩離れると、常に心細さを感じていたこと。
「自分はちょっと緊張しやすいのかもしれない」
ずっと諦めのような気持ちを抱えてきました。
不安の引き金は体の緊張かもしれない
わたしは、大人になっても緊張から抜けられませんでした。
人前では流暢に発言ができずに気まずい思いをしたことが何度もあります。
発言しようとすると喉が詰まって最初の一言が出てこないのです。
あるとき、
「何もしていないのに体の緊張が続いていることがある。」
「そんなときはどことなく不安を感じている」
ということに気づきました。
でもこれは、体の仕組みとして自然なことだったのです。
体が緊張していると、
「なにか悪いことが起こるのではないか」
と脳が勝手に推測して警戒モードに入ります。
なにかに備えて身構えることで不安な気持ちが湧いてくるという仕組みです。
これは、生きのびるための脳の戦略なのです。
だから、悪い出来事に備えて体が緊張を解除できないと、
結果として不安が続いてしまうのです。
悪い出来事に備えて「鎧」を着込み、
緊張を解除できなくなってしまった。
それは、今日まで生き延びるために脳が選んだ、必死の戦略でした。
だから、普段からの緊張を解いていくことを意識するようになりました。
長年、体に染み付いた習慣を変えるのは容易ではありませんが、
体と心は徐々に楽になっていったのです。
周囲への深い配慮が体をこわばらせている
その場の雰囲気を乱さないようにいつも気を張っていたり、
争いが起こらないように自分の感情を抑え続けたり、
いつも周囲に合わせようと頑張ってきたことが、
体をこわばらせているのかもしれません。
だから、
「すぐに不安になるのは、自分が弱いからだ」
「もっと前向きに頑張らなくては」
と考える必要はまったくありません。
言葉を飲み込んで、自分を抑え続けてきたのは、
周囲への深い配慮があったからです。
そのおかげで、救われた人も必ずいるはずです。
緊張しやすいのは、周りの人のためにいつも気を使い、
そっと支え続けてきたからなのです。
ただ、自分を後回しにし続けた結果、
エネルギーが枯渇し、
自分の本当の気持ちがわからなくなってしまうこともあります。
体が固くなると、心まで閉ざされてしまうのは、
誰にでも起こる自然な現象なのです。
あなたのままで一歩進むために
今まで、本当によく頑張ってきましたね。
まずは、重い鎧を着て走り続けてきた自分を、
精一杯いたわってあげてください。
心を無理に前向きにする必要はありません。
まずは**「体の力を抜くこと」**から始めてみませんか?
少しずつ体の緊張がほどけていくと、
自然と深い呼吸が戻ってきます。
そのとき、あなたの本当の言葉が、
少しずつ溢れ出してくるはずです。
優れたセンサーはあなたの強みです。
それを活かして、少しだけ勇気を持って進んでいきましょう。
あなたも、人前で声が出なかった経験はありませんか?
もし同じように感じていたら、あなたはひとりではありません。
次回の記事では、頑張っているのに「やる気がない」と誤解されてしまう、
そんな切ないギャップの正体についてお話しします。
